元々海外で始まったMBAプログラムですが、現在では日本国内での取得も可能となっています。
どちらのプログラムも一長一短があると言えるでしょう。
本記事では、海外MBA、国内MBAそれぞれのメリットデメリットを紹介します。
海外でMBAを取得するメリット
- 共通言語を使って、世界中のビジネスマンと仕事ができるようになる
MBAプログラムでは、「経営戦略」、「人事戦略」、「マーケティング」、「ファイナンス」、「アカウンティング」など、多岐にわたる科目を学習します。
これらはいわば、ビジネスにおける共通言語です。
海外MBAでは、当然外国語(こちらでは英語とします)でプログラムを受講することになります。
日本語でビジネス上の知識を持っていても、それを伝える術がなければ、グローバルでは通用しません。
その点、海外MBAではビジネスで必要な知識を英語で取得することができます。
よって、海外のビジネスエリートたちと2つの共通言語(英語とビジネス上の知識)で理解し合えるようになるというのは大きなメリットの1つでしょう。
- ビジネスで通用する高い英語力を身につけることができる。
ビジネスで必要な知識を英語で学ぶことだけが、英語力向上のすべてではありません。
海外MBAプログラムを通して、総合的な英語力(聞く、話す、読む、書く)を身につけることができるのです。
例えば授業の一環で他の生徒を前に、プレゼンする機会があるとします。
これ1つ取ってみても、プレゼンの準備段階では様々な文献を理解する「読む力」、それらの文献をもとにプレゼン資料を作成する「書く力」、プレゼン当日にはわかりやすく内容を伝える「話す力」、質疑応答の際に、質問の意図を正確に理解する「聞く力」など、生きた英語力を鍛えることができます。
こうして培った高い英語力は、仕事においてもいかんなく発揮されるはずです。
MBA取得後にあなたが外資系企業に入社するとしたら、日々直属の外国人に仕事の状況を伝える必要があるかもしれません。
海外オフィスのメンバーに向かって、日本オフィスのパフォーマンスを電話会議で報告する必要があるかもしれません。
そういったあらゆる場面に自信を持って臨める英語力を身につけられることも、海外MBAのメリットといえるでしょう。
- グローバルレベルの広いネットワークを構築することができる。
特に人気のある海外MBAプログラムには、志の高いビジネスマンたちが世界中から集まります。
1-2年の間、彼らと日々勉強し、生活を共にしていくことになります。
はっきり言って、MBA取得は平坦な道ではありません。
膨大な課題を一緒に乗り越えていくクラスメイトとは、強い絆で結ばれることでしょう。
こうして構築したネットワークは一生涯の財産となります。
卒業後に一緒に会社を興すビジネスパートナーが見つかるかもしれません。
あるいは、お互いの国のマーケット状況について定期的に意見交換できる友人に出会えるかもしれません。
このように世界的なネットワークを構築できる点も海外MBAの醍醐味でしょう。
海外でMBAを取得するデメリット
- 高額な費用
海外MBAプログラムのデメリットの1つはその高額な費用です。
かかる費用は授業料だけではありません。
現地での家賃や生活費や航空券代等も発生します。
具体的な費用はプログラムによりけりですが、1年あたり1,000万円みていると安心という人もいます。
2年間のプログラムでは2,000万円ですね。
また、忘れてはいけないのが機会損失です。
海外MBAを取得する場合、企業から派遣される場合を除いては一度会社を辞めるケースが多いでしょう。
もし年収700万円のあなたが2年間のMBAプログラムに参加するとしたら、働いていればもらえるはずだった1,400万円を失うことになるのです。
この高額の費用は海外MBAの大きなデメリットとなります。
- 取得後のキャリアが用意されているわけではない
特に海外において、MBAホルダーは一般的にキャリアアップが狙えます。
投資銀行やコンサルティング会社に入社する人もいれば、起業して成功を収める人もいます。
しかしながらキャリアアップは約束されているわけではありません。
MBAは確かにあなたの履歴書に箔を付けてくれる一面もありますが、それだけで企業側が採用するとは限りません。
デメリットの1つ目に挙げた通り、海外MBAを取得するには高額の費用がかかります。MBAを持っていればなんとかなるだろうと安心することなく、自分への投資はどれほどのリターンにつながるかを冷静に判断することをおすすめします。
国内でMBAを取得するメリット
- 海外MBAに比べて費用が安い
国内でMBAを取得するならば、海外MBAの大きなネックである費用を抑えることができます。
例えば慶應ビジネススクールでMBAを取得する場合、2年間で約430万円です(生活費は除く)。
それでも大きな出費であることは否めませんが、海外での取得と比較すれば金額の違いは明らかでしょう。
さらに、海外MBAプログラムの受講期間中に働けないことの機会損失について先述しましたが、国内MBAでは一橋大学大学院(HBS)や、早稲田大学大学院(WBS)では、夜間プログラムという選択肢もあります。
仕事や家庭とのバランスを保つ苦労はありますが、職についたままMBAを取得できるというのは国内MBAのメリットの一つと言えます。
- 日本語で受講できる
国内MBAプログラムであれば、日本語で受講することができます。
授業での理解が速いのはもちろんのこと、クラスメイトとグループワークする際も、コミュニケーションにおいて大きなアドバンテージとなります。
海外MBAに挑戦する日本人が苦労する一つの大きな壁は言語ですから、その障害なく、経営に関する知識を学ぶことに集中できることは、国内MBAならではのメリットです。
国内でMBAを取得するデメリット
- 国際的な評価が低めである
MBAを格付けする世界的な3大認証機関があることはご存知でしょうか?
AACSB、EQUIS、AMBAの3つです。
この3つの団体すべてから認証されているMBAを「トリプルクラウン」と呼びますが、日本のMBAで当てはまる大学院はありません(慶応義塾大学と名古屋商科大学の2団体からの認証が最高)。
国内MBAは国際的に高く評価されているとは言えず、特に外国での就職を希望する場合などにそれほど魅力的な経歴に映らない恐れがあります。
- 国内で必ずしも就職に有利とは限らない
では、国内での就職には有利かというと、そうとも限りません。
これは海外MBAのデメリットとして挙げたポイントと同様で、MBA自体がキャリアアップを保障してくれるわけではないということです。
しかしMBAを通して培ったもの(知識だけでなく思考法やクラスメイトをまとめるリーダーシップなど)は転職に際してもアピールポイントになるでしょう。
- 国際的なネットワークを構築するのは難しい
国内MBAでは日本人同士でプログラムを受講するケースが多いため、国際的なネットワークを構築することは難しいかもしれません。
少しでもそのようなつながりを求める場合には、国内の各MBAプログラムに参加している留学生の割合を調べてみてはいかがでしょうか。
一方で国内の人脈づくりに価値を置く人にとってみれば、このデメリットはメリットに変わるでしょう。
まとめ
海外のMBA、国内のMBAそれぞれのメリットとデメリットをご紹介しました。
しかし、ひょっとすると一般的なデメリットがあなたにとっては、メリットになる可能性もあります。
MBAは大きな自己投資になることは間違いありませんから、それぞれの良し悪しを考慮しながら一番合った道を選んでくださいね。
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